「ブックDM」の効果とかかる費用|プッシュ型マーケティング出版戦略

「ブックDM」の効果と メリット・かかる費用

新たな顧客を獲得し、事業を成長させるためには、効果的なマーケティング戦略が不可欠です。

その中でも多く用いられているのが、企業が能動的に見込み客にアプローチをする「プッシュ型マーケティング」です。

プッシュ型マーケティングの中でも、「ブックDM」という手法が昨今注目を集めています

この記事では、

  • プッシュ型マーケティング戦略「ブックDM」の効果や6つのメリット

  • 「ブックDM」でかかる費用相場とその内訳

について深く解説していきます。

この記事を読めば、新たなマーケティング手法としてブックDMに興味を持たれている方も費用対効果を正しく把握することができるでしょう。


関連記事:


BtoBの新規開拓を効率的に実現できるブックDMとは?

売上アップのための企業出版と新規開拓のためのブックDM

記事の目次


    プッシュ型マーケティング出版戦略とは?

    プッシュ型マーケティングの戦略は、本をDMとして郵送して新たな顧客を獲得する方法です。ラーニングスではこれを「ブックDM」と称し、以下の手順で行います。

    1. 法人リスト作成

    2. リストを元に読者ターゲット向けの本企画を立案

    3. 本制作

    4. ブックDMに同封するアイテムの作成

    5. 1で作成した法人リストに対してブックDMを実施

    6. 商談を目指しテレアポなどのアプローチを行う

    7. 送る先を段階的に変化させながら改善を図る

    8. 継続的な実施を検討することで、戦略を強化していく。


    ブックDMは、これまで封筒にチラシを入れて送るのが普通だった郵送DMのアレンジバージョンであり、単純にチラシを本に代えただけとも考えられます。


    参考記事:プッシュ型のマーケティング出版戦略『ブックDM 』具体的な企画例も紹介



    プッシュ型の出版戦略(ブックDM)のメリット

    既存の手法をアレンジした施策とはいえ、私はその効果はチラシの時とは比べ物にならないぐらいの差があると考えています。

    【ブックDMのメリット】

    • 捨てられにくい

    • 経営者に届きやすい

    • ナーチャリングが実現できる

    • ターゲットの手元に残りやすく共有されやすい

    • 読者に役立つのでイメージがよい

    • 効果はブックDM実施に限らない


    以下に、ブックDMのメリットを詳しく紹介していきます。


    捨てられにくい

    DMは、古くから利用されている新規開拓手法であり、あなたも受け取ったことがあるのではないでしょうか?

    特にBtoCの事業では、積極的にDMを活用している企業も多いです。

    ただ、受け取ったDMはほとんど開封されることなくゴミ箱に直行してしまうという難点があります。

    おおよそ60%ぐらいが開封されると言われていますが、逆に言えば40%は開封されずにゴミ箱に直行してしまうのです。

    せっかく伝わりやすさを考えてコピーライティングをつくってデザインして送っても40%がゴミ箱に直行してしまうとなると悲しいですね。

    では、どうしてゴミ箱に直行してしまうのでしょうか。

    これは、リストとのミスマッチ、そして手にした時点でDMとわかることなどが考えられます。

    法人リストとDMのミスマッチについては、ブックDMも同様に発生する可能性がありますが、ブックDMの場合は郵便ポストから取り出してすぐに捨てられる可能性はかなり低いと考えることができるのではないでしょうか。

    なにしろ本が同封されているので、中身は何だろうと見てもらえる可能性が高いのです。

    そして開封して出てきた本が、自身の会社の課題を解決するヒントとなりそうな本だったらどうでしょう。

    チラシDMと違って、興味を持って読んでもらうことが想像できるはずです。

    経営者に届きやすい

    受付ブロックという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

    受付ブロックとは飛び込み営業やテレアポ営業において、受付の段階でお断りをされてしまい、担当者やキーマンとなる経営者に話をすることができない現象を総称したものです。

    当然ですが、受付の段階でお断りされてしまえば取引につながることはないでしょう。

    もちろん、郵送DMも受付ブロックと同様のケースが存在します。

    そもそも、社員を抱えている企業でキーマンとなる経営者や取引担当者が郵便ポストから郵送物をピックアップするというケースは稀です。

    郵送物のピックアップは、おおよそ総務部や新入社員が担当しており、ピックアップした人がチラシやDMは開封して、その人の判断で捨ててしまうことになります。

    せっかくDMを送っても、読んでもらいたい人に届かないのは少し残念ですが、毎日大量の郵送物が届く企業においては仕方のないことでもあります。

    でも、本が送られてきたらどうでしょう。

    それも、仮に経営者の名前宛に本が送られてきたら、総務部や新入社員が勝手に捨てるわけにはいきません

    なにしろ、経営者が自ら購入した書籍である可能性があるためです。

    通常のチラシDMと比べてブックDMは、受付ブロックを突破しやすいというメリットがあるのです。


    ナーチャリングが実現できる

    チラシDMとブックDMの一番の違いは、何と言ってもその性質です。

    チラシのDMは例えば名刺の印刷・制作サービスや事務機器など、費用面などから考えてその場で決断しやすい商材との相性が良いですが、BtoBの無形商材の場合は判断のために多くの情報が必要となります。

    見込み度の高くない顧客に対して情報を提供して興味を引き出し、一度話を聞いてみたいと思ってもらう、それを本1冊で実現できたらいかがでしょう。

    もちろん、ナーチャリングが実現できてもすぐに買ってもらうという段階にはなりづらいのがBtoBの無形商材ではありますが、とはいえ、興味を引き出した後であれば、営業活動はかなり楽になります。

    アポの前にナーチャリングが可能となる、これこそがブックDMの一番のメリットです。

    ターゲットの手元に残りやすく共有されやすい

    経営者に読んでもらって興味を引き出すことができたら次はどうなるでしょう。

    もちろん、経営者が自ら問い合わせをしてくれて商談のアポにつながるケースもあるでしょう。

    また、経営者自らでなくても部下に

    「この本、面白いから読んでアポ取っておいて」

    という指示をする可能性もあります。

    経営者の多くは勉強熱心で読書家の人が多いですが、そういう経営者は良い本や参考になった本を部下や社員に共有するケースが少なくありません。

    人から人に情報が伝わっていくとき、本というオフラインツールがあると印象に残りやすいというメリットがあります。


    読者に役立つのでイメージがよい

    ブックDMはアポを取る手段ではありますが、だからと言ってどんな本でもとりあえず作って送ればよいというわけではありません。

    内容があまりにも薄くて、結局何が言いたいのかわからない本であれば逆にマイナスプロモーションとなってしまいます。

    そのためブックDMで作る本は読者目線で、顧客が読んで役立つ本をつくらなければなりません。

    顧客にとってメリットがある、役に立つ情報が書かれている本を著者から受け取ったら、きっと、その時は取引に至らなかったとしても良いイメージを相手に残すことができます。

    今回ご縁がなくても、次の提案には応じてくれるかもしれません。

    読者の役に立つ本をつくることで、広告で実現できないことが実現できるのです。

    関連記事:送付先リストから考える、ブックDMで送るべき本のコンテンツ

    効果はブックDM実施に限らない

    ブックDMはプッシュ型の新規開拓手法ですが、その過程でつくられた本はその後長く使用することができます。

    そもそも本をつくるという過程が経営者や担当者の頭の整理にもつながると大変好評をいただいており、本を読んでもらうことで営業社員も以前より説明がうまくなるといった声もよくお聞きします。

    関連記事:企業出版の意外なメリット|頭の整理につながり、社員も営業がしやすくなる

    それ以外にも、本を会社のコーポレートサイトに掲載することで専門家としてのブランディングにつながったり、本のコンテンツをセミナーやオウンドメディアで二次利用、三次利用していくという使い方もあります。

    関連記事:BtoBにおけるナーチャリングの重要性とメルマガ·セミナー·本の活用

    以上のようにブックDMのメリットを6つお伝えしましたが、実施してみてはじめて気が付くことも少なくありません。

    費用対効果を考えることも大切ですが、お金以外のメリットも多くあるのがブックDM施策です。

    まずは、あなたの会社の場合、どんなリストにどんな本を送れば興味を持ってもらえるのか、考えてみてください。



    ブックDMにかかる費用相場

    ブックDMに限った話ではありませんが、事業活動においては投資した金額についてどれほどの効果を得ることができるのか、つまり費用対効果を考えることが大切です。

    費用対効果を考えないでお金を使うことは投資ではなく消費になってしまいます。

    ブックDMにかかるおおよその費用は、以下のようになります。


    小ロットで試験的に実施する場合

    • 本の制作費用:180万円

    • 印刷製本費用(500部の場合):50万円

    • 500部の梱包・郵送にかかる費用:25万円

    • 合計費用:255万円


    自社の商材と抜群に相性が良いと考えている法人リストがあれば、そのリストを読者ターゲットに絞って500部ほどのブックDMを実施するという手段もあります。

    500のリストの中から5~10件ほどの顧客を獲得するイメージですね。

    仮に10件の顧客を獲得できた場合を考えると、ブックDMで2件当たり22.5万円の費用が掛かっていることになります。

    当然ですが、商材は22.5万円以上の利益が出るものでなければなりません。

    なお、費用対効果が合わないと考えるのであれば、商材の単価アップを検討することもおすすめしています。

    本があることによってその分野の専門家としてのブランディング効果が期待できるため、単価アップも実現しやすくなっているはずです。


    一度に大量に実施する場合

    • 本の制作費用:180万円

    • 印刷製本費用(5,000部の場合):120万円

    • 5,000部の梱包・郵送にかかる費用:250万円

    • 合計費用:550万円


    一気に5,000部実施するのはあまり得策ではなく、5,000部印刷製本したとしても300部~1,000部ぐらいを送りながら改善を重ねていくという計画になります。

    最初は5,000部で520万円の費用がかかっていますが、これは初回に本の制作費用があるためであり、一度作ればその後は印刷製本費用と梱包・郵送にかかる費用だけなので、5,000部でも370万円となります。

    実施すればするほど1件あたりの実施にかかる費用は安くなりますが、最終的にはかかった費用を売上で回収する計画を立てなければなりません

    送付想定のリスト数が多ければ多いほど企画の方針はぶれやすくなるのには注意が必要です。

    企画がぶれれば成約率は下がりやすくなりますし、ブックDMは1つの本だけで実施するのではなく、リストに合わせて複数のパターンを用意したほうが効果は高いものです。

    多数の本を出版しているという実績も作ることができるので、ブランディングも実現できるというメリットもあります。

    まとめ

    ブックDMは、通常のDMにはないメリットを多く持っていることがおわかりいただけたと思います。

    ブックDMの実施を考えたなら、投資に見合うリターンが期待できるかも慎重に確認しましょう。

    ラーニングスでは、ブックDMサービスを提供しており出版企画や戦略づくりから、貴社に合うプランをご提案し、出版のサポートをいたします。

    効果的な顧客獲得をお探しの方は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。



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    梶田洋平

    出版社ラーニングス株式会社 代表取締役

    慶応義塾大学卒業後、証券会社に入社し法人・リテールの営業活動に尽力。退社後、2017年7月にラーニングス株式会社を設立。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開する。これまで自身が著者として出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3,000冊以上。

    https://www.learnings.co.jp/
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