離職理由ランキング上位から考える企業がやるべきこと

離職理由から考える企業がやるべきこと

会社員の考え方は日々変化しています。

数十年前には当たり前だった終身雇用の考え方も、今では逆に新しい考え方に思えてしまうぐらいではないでしょうか。

それほどまでに転職は一般化しており、数年ごとに転職を繰り返している社会人も増えてきています。

ただ、企業側から考えると現在の会社員の考え方はどう映るでしょうか?

転職が当たり前になったことに加えて、フリーランスとして働く人が増え、人材不足はどんどんと深刻な状況になっているという現実があります。

採用にもお金がかかりますが、社員教育にもお金がかかる、それだけ費用をかけても結局は離職してしまうということになれば目も当てられません。

実際、ヒトに関する悩みは経営者の悩みの中でもトップクラスとなっています。

今回の記事では、離職理由のランキングが実施されると必ずと言っていいほど上位にランクインする離職理由を紹介し、どうすればよいのかについてを考察していきたいと思います。

記事の目次


    ランキング上位によくランクインする離職理由

    離職理由ランキングとしてよく上位にランクインする項目とそれぞれの理由を見ていきましょう。

    • 労働時間・環境が不満だった

    • 人間関係がうまくいかなかった

    • 給与が低かった

    • キャリアアップしたかった

    • 昇進・評価が不満だった

    • 会社の安定性や将来性に不安がある

    是非、どういった対応策を考えておけば離職を防ぐことができるのかも併せて考えながら読んでみてください。

    労働時間・環境が不満だった

    労働時間や残業時間、休日や休暇は、ワークライフバランスを考える社員にとって大切なことです。

    「どこまでであれば残業も可能なのか、休日をどのように取りたいかなどを事前にわかっていれば考えたのに」という経営者もいるかもしれません。

    しかし、経営環境が良くなくなったため、結果として労働環境が良くなくなってしまうケースもあるでしょう。

    人間関係がうまくいかなかった

    離職理由としてもっとも多いのが、やはり人間関係ではないでしょうか。

    上司や同僚、後輩など、一緒に仕事をする社員が勤め先を考える上では非常に大切な要素となります。

    20代~30代は、給与よりも人間関係を大切にする社員が多くいます。

    給与が低かった

    生活していくために欠かせないお金の問題は、やはり勤め先を考える上で大切になります。

    給与についての話し合い、会社と社員でできているでしょうか?

    優秀な社員が「給与が低いので辞めます」と退職の意思を示した後に慌てて「給与をアップするから辞めないでくれ」と言っても後の祭りとなってしまうことが多いようです。

    キャリアアップしたかった

    給与が低いという離職理由と同様、キャリアアップも優秀な社員であればこそ考えやすい退職理由と言えます。

    キャリアアップしたいと考える、成長に対して前向きな社員が辞めていくのは会社にとっても大きな損失となる可能性があります。

    社員の意向を聞いて、会社内でその意向を実現できるようなキャリアプランは提案できないでしょうか?

    昇進・評価が不満だった

    昇進と評価の基準が明確になっていないと、それが離職理由につながることもあります。

    昇進や評価が、定量的なものだけで測れないから難しいものです。

    定性的な評価も必要ですし、給与が同じでも評価が違うだけで満足度を得られることもあるのです。

    会社の安定性や将来性に不安がある

    経営者が「うちの会社は安定している」「うちの会社には将来性がある」と伝えても意味はありません。

    大切なのは社員がどう感じているかです。

    実際、会社の将来性に不安を感じて離職する社員は多いものです。

    上記が離職理由としてよくランキング上位に登場するものです。

    中には会社側がどうすることもできない理由もあることでしょう。

    ただ、会社側(経営者)がすごく努力をしているにも関わらず、コミュニケーションの問題で社員にそれが伝わっていなくて離職理由となってしまうと少し勿体ない気もします。

    ランキング外に多い、こんな離職理由

    ランキングには必ずしも入らないかもしれませんが、他にも離職理由としてよく聞かれるものも見ていきましょう。

    社風が合わなかった

    若い人が多くて和気あいあいとした雰囲気が好きな社員もいれば、仕事はできる限りコミュニケーションを減らして黙々と取り組みたいと考える社員もいるでしょう。

    社風が合わないための離職は、企業側の問題でも社員側の問題でもなく、単純にミスマッチの可能性もあります。

    採用前に理解していれば防げる可能性もありそうです。

    自分がやりたい仕事ではなく面白くなかった

    やりがいを何に感じるかは、社員それぞれで異なります。

    わかりやすく数字で実績がわかる営業やマーケティングのような仕事が好きな社員もいれば、すぐには売上にはつながらない仕事だけど地道に積み上げる採用や人事に関する仕事が好きな社員もいるでしょう。

    ミスが少なく几帳面な人に向いている経理などの仕事に、やりがいを感じる社員もいるはずです。

    やりたい仕事と与えられる仕事のミスマッチによる離職は、けっこう多いものです。

    会社の方針が気に入らなかった

    方針が次々に変わっていった場合には、社員が「こんなのやっていられない」と離職につながっていく可能性もありそうです。

    ただ、あらかじめ方針を共有したり、コミュニケーションをとって方針を説明しながら伝えれば理解しあえることもあるかもしれません。

    以上、ランキングによく入るような離職理由に加えてよくある離職理由も紹介しました。

    こちらも、会社側ではどうすることもできない理由もあるでしょうが、そもそも入社前に伝えておけば防げた可能性があるものもあります。

    離職率低下のために

    冒頭で紹介したように、離職率を低下させたいと考える経営者は多くいます。

    では、ランキング上にある離職理由やよくある離職理由を防ぐためには何をすればよいでしょうか。

    簡単な話ではありませんが、以下のような対応策を考えることができます。

    そもそも採用の段階でのミスマッチ

    人材不足で採用するのが簡単ではないという現実があります。

    そうなると、条件を満たしていればよいという考え方や、優秀であるからよいと考えて採用を実施してしまいがちです。

    この場合、社員側も条件で就職先を選んでいる可能性があります。

    当然、もっと良い条件があればそちらに転職することになってしまうでしょう。

    仕事内容や社風、会社の方針は採用後に伝えるものではなく、採用前に伝えるものです。

    どんな価値観を持った組織であるのか、経営者のこれまでの歩みや価値観について、採用段階でしっかりと共有することで、経営者の考え方に共感した社員を採用しやすくなるはずです。

    採用の段階でミスマッチを防ぐことができれば、離職率の低下につながります。

    社員に「なぜやるか」を伝える

    会社の方針を伝えることは大切なことですし、それをやっていないわけではないはずです。

    でも、なぜその方針としたのかの理由までセットで伝えることで、方針は伝わりやすくなります

    なぜその仕事をやるのかを理解すれば、ただやらされている仕事ではなく、より効率的に実行するためのアイディアなどが社員から出てくることもあるでしょう。

    経営理念を伝える

    経営理念を伝えることの重要性については、今さらお伝えする必要もないかもしれませんが、実際に経営理念が浸透しているかと言われるとどうでしょう。

    そして、経営理念を伝えるための努力をしているかと考えてみたらいかがでしょうか。

    日々の業務が忙しい中で、経営理念を伝える時間が経営者に不足しているケースも多いのではないでしょうか。

    先ほど紹介した「なぜやるのか」の、さらに根本的な要素として経営理念があるはずです。

    採用時だけでなく、常日頃から伝えることでより組織力は強化されていくことでしょう。

    さいごに|離職率が高い=必ずしも悪ではない

    離職率を低下させるための施策を紹介してきましたが、必ずしも離職率が高いことが悪いとは限りません

    会社の成長に合わせて社員の属性が変わっていくこともあるでしょうし、実際に離職率が高いにも関わらず社員の満足度が高く、退社後も付き合いが続いたり、社員が愛着を持ち続けているケースもよくあります。

    でも、会社にとって防ぎたい離職、そして防げる離職を防ぐためにできる対応策もあるはずです。

    例えば、ラーニングスではビジョンブックプロジェクトというサービスを提供しております。

    これは経営理念や経営者の考え方やヒストリーを一冊のビジョンブックにまとめ、採用時や日々の会議で活用していくことを目的としています。

    ビジョンブックについて詳しくは、企業のビジョンブックとは?メリットからつくり方・活用方法まで徹底解説でご紹介しています。

    企業にとって防ぎたい&防げる離職、会社員にとっても防ぎたい離職を防ぐことは双方にとってメリットがあります。

    是非、そのための一つの手段としてビジョンブックづくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。



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    梶田洋平

    出版社ラーニングス株式会社 代表取締役

    慶応義塾大学卒業後、証券会社に入社し法人・リテールの営業活動に尽力。退社後、2017年7月にラーニングス株式会社を設立。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開する。これまで自身が著者として出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3,000冊以上。

    https://www.learnings.co.jp/
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