出版後すぐに成果に結びつかなくても本の使い方はたくさんある

企業出版は、即効性のある戦略ではありません

そのため、来月、再来月の売上をアップするためであれば、出版以外の、例えばリスティング広告などを活用した戦略を考えた方が賢明と言えるでしょう。

参考記事: WEBマーケティングと出版ブランディングはどちらから取り組むべきか?

とはいえ、中長期的な戦略は短期的な戦略の積み重ねではうまく行かないことが多いものです。

短期での売上アップのための施策に加えて、中長期に適した戦略を同時に準備して実施していく必要があります。

 

そして、この中長期を見据えた戦略として企業出版は適しています

今回は

  • 中長期を見据えた戦略として企業出版が適する理由

  • 企業出版した本をワンソースマルチユースで活用する方法

をご紹介します。

記事の目次

    中長期を見据えた戦略として企業出版が適する理由


    理由としては以下のものがあります。

     

    • 6か月~1年後を見据えてプロジェクトをスタートする

    • フローより資産を作る

    • 使い方がたくさんある

     

    一つずつ解説していきます。

    6か月~1年後を見据えてプロジェクトをスタートする

    そもそも、企業出版のプロジェクトは実行すると決めてから

    • 企画の立案

    • インタビュー取材の実施

    • ライターの執筆

    • 編集及び校正作業

    • タイトルや表紙の決定

    • 出版、その後活用へ

    と、6か月~1年ほどの期間がかかります。

     

    そのため、中長期的な視野に立ってプロジェクトを考えざるを得ないのです。

    中長期的な視野に立っての経営は、多くの経営者が意識していることかもしれませんが、それを自然に考えられるのが企業出版と言えます。

      

    フローより資産を作る

    数か月後の売上をアップするために考えるのは、広告など即効性のある戦略ですがこれはどちらかというとフローの考え方です。

    フローの考え方は、効果測定が早いというメリットがあります。

    20万円の費用をかけたフェイスブック広告がどれぐらいのクリックを生み出して、結果としてどれだけの売上に貢献したのか、これを数か月以内に効果測定できるはずです。

    一方、フローのお金は掛け捨てで、その時に効果が出なければ費用回収というのは難しいというのがデメリットとなります。

     

    もちろん、企業出版プロジェクトで製作した本についても、フローの施策のように、かけた費用以上のお金を生み出すことを考える必要があるのは言うまでもありませんが、フローの時とは違う考え方もあります。

    それは、本の資産として考え方です。

     

    例えば決算算書で資産と言えば、どのような考え方ができるでしょうか?

    一度限りの広告費と違って、資産として計上しているものは保有しているために何度も活用することができ、中長期で回収を狙うものという考え方もできるはずです。

     

    もちろん、決算書の資産と同様、活用しなければ不良資産となってしまいますが、活用すれば長期間に渡って何度でも使用することができるのが本と言えるでしょう。

     

    使い方がたくさんある

    本は実に様々な使い方があります。

    例えば同じオフライン施策であっても、会社案内やサービス資料は使い方が限られているはずです。

     

    会社案内やサービス資料は自社や自社のサービスに興味を持ってくれた人が対象となっているのに対して、本は自社や自社のサービスに興味を持ってくれる可能性がある人も対象にすることができます。

    例えば展示会で配ったり、無料特典としてウェブ上で配布するなどすれば、興味を持ってもらうために使うことができますし、リスト獲得のために使用してその後メールマーケティングで興味を深めるといった戦略も考えることができるでしょう。

    本の活用方法~ワンソースマルチユースで使う~

    企業出版に取り組む企業は出版だけではなく、売上アップにつなげるための様々な施策にも同時に取り組んでいるケースが多いです。

    もちろん、あまりに多種多様な施策に手を出してどれも中途半端になってしまうという事態は避けるべきですが、それでも企業出版だけに取り組むというケースはまれで大抵の場合は以下のような施策を同時に進める企業が多いです。

    • オウンドメディア運営

    • Youtubeのチャンネル運営

    • メルマガ

    • ホワイトペーパーのLPを作ってフェイスブック広告やリスティング広告で運用

    • セミナー開催

    上記のいずれかに取り組んだことがある企業が、多いのではないでしょうか?

    会社の規模や予算によって取捨選択等は必要になると思いますが、どれも新規顧客開拓や見込み顧客のナーチャリングに非常に有効な施策です。

    これらの施策を行っている企業が企業出版に取り組む際に是非おすすめしたいのが、マルチユースによるコンテンツの有効活用です。

    おおむね1冊の本に含まれる文字数は6~10万文字となることが多いです。

    企業出版の場合は、最後まで読み切ってもらえる文量を理想と考えているために少なめの文字数にすることが多いですが、それでも6万文字という情報量はぜひ有効活用していただきたいです。

    完成した本が、仮に6万文字になったとします。

    この場合、2,000~3,000文字の項目が20~30個ぐらいのコンテンツになります。

    オウンドメディア1記事おおよそ2,000~3,000文字ぐらいが多いと思いますが、多少の編集は必要になるとはいえ、企業出版に取り組むと20~30の記事コンテンツが同時に手に入ると考えることができます。

    それだけではありません。

    インタビュー取材を動画に撮っておけば各項目をYoutubeのコンテンツとすることもできますし、人気のあるコンテンツを再編集してホワイトペーパーを作ることもできるでしょう。

    さらにセミナーを開けば、コンテンツを非常に効率的かつ効果的に使用していくことができます。

    ワンソースマルチユースで使用するメリットは、他にもあります。

    それは、企業出版は経営者自らがコンテンツ制作に携わっているという点です。

    通常、先ほど挙げたオウンドメディアやメルマガ、ホワイトペーパー作成などの作業は経営者自らが取り組むよりもマーケティングや広報の担当者が取り組んでいるケースが多いはずです。

    そのため、経営者の意図や考えと発信するコンテンツに多少の差異が生まれてしまうケースが少なくありません。

    でも、企業出版はもともと経営者のインタビュー取材をベースにするのが一般的です。

    参考記事:企業出版でゴーストライターを使う3つの理由

    経営者が発信するコンテンツをマーケティング施策にも利用できるとなれば、マーケティングや広報担当者も大変助かります

    企業出版に取り組む際には、ワンソースマルチユースの考え方を徹底して活用していくようにしましょう。

    まとめ

    今回は、企業出版プロジェクトで製作した本は、中長期的な戦略を考えて実行していく際に有益なものであるという点について解説しました。

     

    よく「ウェブ広告と比べてどれぐらいメリットがありますか」と聞かれることがありますが、広告のフローのお金と比べるのではなくストック(資産)として検討するべきものであると考えています。

    大切なフローのプロジェクトとストックのプロジェクトを、バランスよく同時に進めていくことです。

     また、企業出版で作る本のコンテンツは経営者自らが情報源で有用性が高いため、ワンソースマルチユースの考え方で徹底活用をしていくことをおすすめします。


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    梶田洋平

    出版社ラーニングス株式会社 代表取締役

    慶応義塾大学卒業後、証券会社に入社し法人・リテールの営業活動に尽力。退社後、2017年7月にラーニングス株式会社を設立。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開する。これまで自身が著者として出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3,000冊以上。

    https://www.learnings.co.jp/
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